人気ブログランキング | 話題のタグを見る

YOKITOKORO

一原有徳記念ホール


小樽市色内1-9-5
市立小樽美術館 3F

一原作品と、いつでも会える場所ができました。
日本中から、さらに世界から、たくさんのファンが
小樽を訪ねる日が来るでしょう。
ワクワクの開幕です!


YOKITOKORO_c0173273_9505248.jpg

初めてお目にかかった時、一原氏は79歳。
きさくなお人柄で、いろいろお話をしてくださいました。
80歳で予定している海外の展覧会のこと。
マンホールに興味があり、いつも下を向いて歩いては写真を撮っていること。
お歳を考えると、正直驚きました。
熱い行動力と、瑞々しい感性。尽きない好奇心。
それからさらに20年、先生は現代アートを牽引されたのでした。
創作に年齢は関係ない。
いつもパワーをいただくエピソードです。



YOKITOKORO_c0173273_9511758.jpg

4月2日(土)オープニングセレモニー。
テープカットはご子息一原正明氏、山田市長、市立小樽美術館長、道立近代美術館学芸員光岡氏他による。



YOKITOKORO_c0173273_952334.jpg

赤と黒を基調とした、3F記念ホールとホール前。
エレベーターもカッコいい。美術館もがんばりましたね-。ワンダフル~!



YOKITOKORO_c0173273_9534581.jpg

この4作品が世界で認められ、逆輸入で小樽さらには日本でも一躍注目作家に。
(画家:S氏談)
それにしても、これが約半世紀前の作品とは驚きです。
是非足を運んで実物をご覧ください。「本物」のもつ存在感に圧倒されます。
今回は油絵も必見です。
氏は、実際体験した訳ではないけれど、原爆のイメージが何もないところに蝶が飛ぶ-というところを
想像してしまうと言われたそうです。(建築家:H氏談)
そういう憂いを感じる作品があります。



YOKITOKORO_c0173273_9561579.jpg

小樽市潮見台にあるアトリエを再現。
『 一原有徳実験工場 』
このネーミングの遊び心とセンスが、時を経ても色あせない感性のヒントとなりそう。
世界のイチハラを意識されることなく、純粋な創作意欲で、楽しく没頭される様子が想像できる空間です。



YOKITOKORO_c0173273_958125.jpg

一原有徳といえば、このモノタイプが真っ先に想い浮かぶのではないでしょうか。
モノタイプとは、主に石版を使い、ヘラで削って刷る手法。
その名のとおり、1枚きりのものです。
ここは宇宙か果てない荒野か…。
この中に立つと、自分自身のイメージの中に
身を置くことが出来ます。



YOKITOKORO_c0173273_1001827.jpg

ひとりのアーティストの中に、こんなにたくさんの表現があるとは!
オブジェも欠かすことができない、一原作品です。
かわいく楽しく。紐を引いたり、磁石でくっつけたり。
手に触れて、自在にカタチを変えること。
そこからまた発想を得られていたのかも、知れません。



YOKITOKORO_c0173273_1004078.jpg

文学館では、俳句や文筆活動を紹介しています。
山岳小説は、太宰治賞の候補にもなったほど。
俳句も既成概念に捉われない、はっとするものばかりです。

「多才」ということとは違う。
枯れることのない才能の泉があり、そこから支線が出ていて
それが版画であり、俳句であり、小説であり…、そこからこんこんと水が溢れ出ている。
すべてが根っこのところで、確かに繋がっているのです。
一原有徳とは、そういう表現者である気がします。



※ 写真は美術館、ご家族の許可を得て、掲載しています。



< 文・写真 サワダ チカコ >

by WATASHI-BRAND | 2011-04-03 09:56 | YOKITOKORO
<< YOKIMONO Chicaco的写真生活 >>